内科・小児科

内科

内科は、日常的な不調や症状があった際にまず受診されることの多い診療科です。当院の内科では、循環器、呼吸器、消化器をはじめ、腎臓、内分泌なども含めた総合的な診療を行っています。

風邪

風邪鼻やのどの感染症で、原因となるウイルスは200種類以上あって、主なものにライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなどがあります。症状の内容や程度もさまざまですが、のどの痛み、鼻水・鼻詰まり、くしゃみ・咳、発熱がよくある症状とされています。必要があれば症状を緩和させる対症療法を行いますが、ウイルスには抗生物質が効きませんので基本的には休養・保温・栄養に留意して自然治癒力による回復を待ちます。ただし、風邪で免疫力が下がると細菌による二次感染が起こりやすいため注意が必要です。気管支炎、肺炎をはじめ、子どもに多い中耳炎なども風邪をきっかけに発症することが多くなっています。
予防のために、うがい、手洗い、十分な睡眠や休息、規則正しい生活、バランスのいい食事を心がけましょう。

熱体調が悪くない時に熱を測っておいて、ご自分の平熱を把握することが重要です。平熱は、35度台から37度近い方までさまざまです。一般的には37度を少し下回る程度が多くなっています。法律では、37.5度以上を発熱、38度を超えると高熱と感染症法で定義されています。
発熱はさまざまな病気の症状として現れるサインです。子どもは、風邪。扁桃炎、中耳炎、熱中症(日射病)などによって発熱することが多く、感染症では赤い発疹がともなうはしかや法定伝染病の日本脳炎などで高熱が出る場合もあります。成人では他の症状や経過などで推測して必要な検査を行って診断します。

熱の経過によって推測できる疾患

  • 急な高熱 日本脳炎・ポリオ・結核性髄膜炎など
  • 徐々に上がっていく熱 腸チフス・肺炎・肋膜炎など
  • 激しく上下する熱 敗血症・腎盂炎・心内膜症など
  • 経過が一定しない高熱 急性肝炎・インフルエンザ・はしかなど
  • 長期間続く微熱 肺結核・腹膜炎・のどや鼻の慢性炎症・リウマチ・婦人病・悪性腫瘍など

自己判断で市販の解熱剤を飲んだ場合、重大な疾患を進行させてしまう可能性があります。適切な初期治療につなげるためにも、発熱に気付いたら早めに受診してください。

インフルエンザ

症状は風邪によく似ていますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって生じます。風邪よりも強い症状を起こすことが多く、咳、鼻水、のどの痛み、40度近い高熱、頭痛、関節の痛み、倦怠感などを起こします。
インフルエンザウイルスは変化を繰り返していて、毎年新しい型が流行するため、インフルエンザワクチンは流行する型を予想して作られています。こうしたことからインフルエンザワクチンの接種は毎年受ける必要があります。ワクチン接種では感染を完全には防げませんが、感染した場合には重症化を防ぐことができます。
例年、インフルエンザは12月後半に流行しはじめ、1~3月に流行のピークを迎えます。ワクチンは接種の2週間後に効果が現れはじめ、その後は5ヶ月程度効果が持続するため、11月中に接種をすませておくと流行する期間をしっかりカバーすることができます。

高血圧

高血圧血管にかかる血液の圧力が血圧です。血圧は心臓が収縮した際に最大になり、心臓が拡張した際に最小になりますので、血圧を測った際には収縮期血圧と拡張期血圧の2つの数字が表示されます。運動や緊張などで血圧は大きく変化してしまうため、安定した血圧が出やすい家庭で測定した血圧が診察では優先されます。高血圧は、家庭血圧が最高135mmHg/最低85mmHg、診察室血圧が最高140mmHg/最低90mmHgを超えた場合に診断されます。
高血圧が続くと血管に大きな負担がかかり続けるため動脈硬化を進行させます。動脈硬化は、脳出血・脳梗塞、大動脈瘤、心筋梗塞などを突然起こすリスクを高めるため、適切な血圧のコントロールが重要になります。
高血圧の原因には、過剰な塩分摂取、肥満、飲酒、喫煙、ストレス、運動不足といった生活習慣の乱れが大きく関わっているため、生活習慣を見直すことが血圧コントロールには不可欠です。生活習慣の改善で十分な効果を得られない場合には薬物療法を行います。

脂質異常

脂質異常症悪玉(LDL)コレステロールが140mg/dl以上、、中性脂肪が150mg/dl以上といった高脂血症に、善玉(HDL)コレステロールが40mg/dl未満と少ない場合を含めたものが脂質異常症です。自覚症状なく進行するためサイレントキラーと呼ばれています。動脈効果を進ませ、脳梗塞、狭心症・心筋梗塞などのリスクが上昇します。食生活、肥満、運動不足、飲酒などの生活習慣が発症・進行に大きく関わっています。生活習慣の改善が不可欠であり、それで十分な効果を得られない場合には薬物療法を行います。

糖尿病

糖尿病膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足する、あるいは十分働かなくなって血糖値が高い状態が続く病気です。早期には自覚症状が乏しいのですが、進行すると飲水量の増加、尿量の増加や頻尿、体重減少、倦怠感や疲れやすさなどの症状を起こします。
感染症などをきっかけにインスリンを作る膵臓の細胞が壊れて発症するⅠ型、生活習慣などによって発症するⅡ型に分けられ、日本の糖尿病はⅡ型がほとんどを占めています。高血糖が続くと血管にダメージを与え、動脈硬化進行によって心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなりますし、毛細血管が障害されて失明や透析が必要になる腎不全、足の壊死などを起こす神経障害といった深刻な合併症を起こす可能性があります。
血糖値は直前の食事などに大きく左右されるため、空腹時126mg/dl、食後2時間200mg/dlのどちらかを超えると糖尿病と診断されます。また、グリコヘモグロビン(HbA1c)は約2か月間の血糖値の平均を示す数値が出ますので、それで6.5以上になった場合も糖尿病と診断されます。
治療では、食事療法と運動療法による血糖値のコントロールを行い、それで不十分な場合には薬物療法やインスリン注射が必要になります。

痛風(高尿酸血症)

痛風(高尿酸血症)血液に含まれる尿酸値が高い高尿酸血症の場合、過剰な尿酸が鋭い針状の結晶になって関節に付着することがあります。それによって炎症を起こし、激しい痛みを生じている状態が痛風発作です。足の親指の付け根に生じることが多く、足首・膝・肘・指などに生じることもあります。また、高尿酸血症があって痛風発作を起こさない場合も、腎臓結石や尿路結石、心臓病などの合併症を起こす可能性があるため尿酸値のコントロールは不可欠です。尿酸値が安定してからも尿酸結晶が溶けるまでは時間がかかるため、定期的に検査を受けて治療を続けましょう。
尿酸は、食物に含まれるプリン体が体内で分解されて生じます。プリン体はレバー、魚卵、エビ、いわしなどに多く含まれるためこうした食品の摂取を控えることが重要です。また、アルコールは尿酸値を上げてしまうため、節酒を心がけてください。

アレルギー性鼻炎(花粉症)

花粉症当院ではスギとダニを原因とするアレルギー性鼻炎治療を行っています。

花粉症は、アレルギー性鼻炎の一種であり、植物の花粉がアレルゲン(抗原:アレルギー症状を引き起こす原因物質)となって、目のかゆみ・異物感・充血、涙、立て続けのくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、などの症状が現れる疾患です。症状がひどくなると、咳、喉や皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、微熱、不眠、下痢、体や顔のほてり、イライラ感も見られるようになります。

良く知られる花粉原因物質は、スギやヒノキなどですが、そのほかにもシラカンバ、ハンノキ、カモガヤ、イネ、ブタクサ、ヨモギなどが原因になることもあります。主に花粉の飛ぶ飛散シーズンに症状が限定されることから季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。

花粉症の検査と治療

検査

◇血中のIgEの総量を調べる血清総IgE定量検査
◇花粉に反応する特定のIgEを調べる血清特異的IgE抗体検査

があります。血液検査ではアレルゲンになっている植物を特定することも可能です。

治療

花粉症と診断された場合、症状を緩和するために対症療法を行います。くしゃみ、鼻水、鼻づまりでは、抗ヒスタミン薬、鼻づまりの症状が強ければ、内服薬や局所ステロイドの点鼻薬も併用します。目に強いかゆみがある場合は、点眼薬を使用します。

なお花粉症は、花粉が飛び始める前から治療を行うことが認められています。

内科で花粉症検査や治療を受けるメリット

アレルギー性疾患である花粉症は、鼻への症状だけに収まらず、目や気管支などにも現れます。そのことで集中力欠如、倦怠感、睡眠障害なども症状として現れることがあります。内科では、総合的な診療を得意としており、かかりつけ医であればこれまでの病歴なども把握しています。また既往症がある場合においては、その治療とうまく連携させた治療が可能です。そのような背景から相談しやすいというメリットがございます。
しかしながら、鼻の症状が特に強い場合、目の症状が特に強い場合等の場合では耳鼻咽喉科や眼科で専門的な治療を受けることをおすすめします。状況に応じ連携して治療を受けていただけるよう、高度医療機関とも連携しながら診療を行っています。お悩みがありましたら気軽にご相談ください。

定期的な診察

定期的に受診いただき、効果や副作用を確認します。最初は短期間で受診いただきますが、安定してきたら月1回の受診となります。

花粉症治療の開始時期

花粉症の治療で効果的な時期は飛散シーズンが始まる2週間ほど前からと考えられいます。早い段階から治療を開始することで比較的軽い症状で飛散シーズンを乗りきりやすくなります。もし早期治療が叶わず、症状が現れてからいらした場合においても、即効性のある治療を行うことで症状を抑えていきますが、できるだけ早めにご相談にいらっしゃることをお勧めいたします。

花粉症の主な症状
  • 鼻水…水のようにさらさら透明
  • 発熱…微熱程度で、あまり発熱は見られない
  • 喉…違和感程度
  • 頭痛…軽い頭痛を伴う
  • 咳や痰…伴うこともある程度

小児科

小児科当院は、お子様からご高齢の方まで幅広い年代のご家族全員が気軽に受診できる地域の「かかりつけ医」です。お子様に下記のような症状・疾患がある場合には、できるだけ早くご相談ください。

風邪

子どもの受診で最も多いのが、鼻やのどに感染して炎症を起こす風邪です。主な症状には、咳、鼻水、鼻詰まり、のどの痛み、発熱などがあります。ほとんどはウイルスによるものですが、気管支炎・肺炎・中耳炎などを合併することがあるため注意が必要です。

腹痛

腹痛子どもは「お腹が痛い」と不調を訴えることが多いのですが、便秘で激しい腹痛をともなっていることもありますし、軽い腹痛に重篤な病気が隠れている場合もあります。緊急対応が必要な急性虫垂炎、腹膜炎、腸閉塞などの有無をまず確かめることが重要です。また、発熱、嘔吐、下痢など、他の症状の内容や経過などの情報もスムーズな診断には不可欠です。なお、幼くて症状をまだ伝えられない場合、機嫌が悪い、泣き続けるなどがありましたら受診してください。

下痢

水のような状態から、少し軟らかい程度といった状態、血液や粘液などが混じっていないか、色や消化状態、匂いの有無やその特徴、排便頻度、水分を十分に経口摂取できているかどうかをしっかり観察して医師に伝えることが重要です。余裕があれば便の状態をスマートフォンなどで撮影して見せていただくのも役に立ちます。また、機嫌、嘔吐の有無、ぐったりしているなど状態もしっかり観察してお伝えください。
下痢をしている時には腸にダメージがあって消化吸収がうまくできない状態であり、腸の安静が必要です。栄養不足を心配して食べさせてしまうと悪化させてしまいます。また、水分補給もこまめに少量ずつ行ってください。なお、水分が不足すると子どもは脱水しやすいため、そうした際には点滴などによる水分の補給が必要になります。水分をとれていない、または水分をとっても嘔吐してしまう場合には、すぐに受診してください。

嘔吐

胃腸は食物を消化する能力が下がってしまうと飲食物を拒絶する反射として嘔吐を起こします。嘔吐後に少しずつ水分を摂取できて、元気があればそれほど心配はありません。ただし、顔色が悪くなる、激しく泣く、血便などを起こしている場合には腸が腸の中に入り込んでしまう腸重積症の可能性があり、半日程度で命に危険が及ぶ可能性もあります。また、水分を摂取しても嘔吐してしまう場合は脱水の可能性があります。こうした場合には、できるだけ早く受診してください。
嘔吐がある際の水分摂取は、嘔吐してから2時間程度は何も与えず様子をみてください。吐き気が治まって水分を欲しがる場合には、白湯を少しずつ与えてゆっくり飲ませてください。水分を与えると吐いてしまう場合はすぐに受診してください。食事は吐き気が治まって水分がとれるようになり、状態が落ち着いてきたら軟らかく味の薄い素うどんや白粥などを少量ずつ、様子を見ながら与えるようにしてください。

発熱

発熱子どもは身体だけでなく機能も発達途中であり、体温調節機能も未熟です。そのため、小学校入学前までは熱を出すことがよくあります。発熱という症状は、感染症を起こす細菌やウイルスなどから身体を守るための重要な防御反応です。解熱剤で熱を下げても原因となる疾患自体が治っているわけではありません。熱があるからと安易に解熱剤を飲ませるのではなく、経過を観察して下がらない場合には受診することをおすすめしています。また、微熱程度でも長期間続く場合には肺炎を起こしている可能性があります。様子をしっかり確認して、早めに受診してください。

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